スターバックス、コメダ珈琲、サンマルクカフェ…。
続々と尼崎にも喫茶店たるチェーン店が増えてきていますよね。
そんな中、昭和にタイムスリップしたような純喫茶がひっそりと尼崎にもまだ残っています。
レトロでディープな雰囲気が何とも言えない心地よさ。阪神尼崎駅最寄、中央商店街にある「純喫茶くらも」をご紹介します。
レトロな雰囲気が何とも言えない心地良さ『純喫茶くらも』
▽お店の外観。
▽レトロな雰囲気が漂う店内。
▽ホットコーヒー。マイルドな口当たりで、コクと甘みが絶妙の加減。
▽昔ながらのジャムトースト。サクっともっちり。
▽店の奥側には、手作りの中庭。先代のおじいちゃんが鯉釣りが好きで釣り竿もある。
今や貴重なジュークボックスに時のうつろいを感じる
ご夫婦で営んでおられる純喫茶くらも。その歴史は50年にも上ります。
お話をお伺いさせて頂いたのですが、時のうつろいとは儚いとしみじみと感じました。
昭和当時は、オールナイト営業は当たり前で、学生、夜勤上がりの職人、水商売の方などの憩いの場として賑わっていた純喫茶くらも。
この店舗のすぐ隣にかつては映画館もあり、お客さんも沢山流れてきて、まさにお店は最盛期を迎えていました。
こちらは当時モノの貴重なジュークボックス。ですが、今は本棚となっていました。
マスターの奥様が「これ開くのほんまに久しぶりやわぁ」と中を見せてくれました。
当時は音が止まることは一切無かったそう。そのくらい沢山のお客さんで連日賑わっていたそうです。
私は昭和最後の63年生まれで、ほとんど知っている歌はありませんでしたが、この1曲1曲が当時の流行最先端を走っていて、懐かしく感じる方も沢山おられるんだろうなぁと。
何もかもがデジタル化された今ですが、このジュークBOXから垣間見れる一つ一つ手書きで曲を書き込んでいるところなど、今の時代に無いあたたかみを感じました。
私が小さい時にはまだギリギリ、レコードの文化も残っていました。ですが本当にそういった昭和を感じられる文化は記憶の片隅程度。でもなぜか昭和の時代の空気感が好きなんですよね。
後世に残したい素敵なお店!
▽手作りの中庭には優雅に金魚が泳ぐ。
純喫茶くらもは昭和、平成と50年もの間、ここ尼崎で喫茶店を営んでこられたからこそ、尼崎の時代の変化も目の当たりにしてきました。
以前は前述したお客さんが沢山いたのですが、今はどれもこれも少なくなったとのこと。水商売は衰退し、近くの映画館は潰れ、ましてや学生なんてほとんど見ることが無くなったそうです。ショッピングモールや大型映画館など、続々と利便性の高いお店が増えた影響を大きく受けています。
それでも取材させて頂いた日に、常連さんとお話されている様子などを見ると、人と人の繋がりを築く大切なコミュニケーションの場、そういう役割も担っているのが喫茶店なんだとも感じました。
昨今、店員さんとお客さんがコミュニケーションを図る場が減っている中で、こういった場がいつまでも残ってほしい。そんな気持ちも芽生えました。
当のご夫婦はもう子供には継がせないと仰っておられました。こうやって時代を彩った素敵なお店が減っていくのですね。
時のうつろいは儚い…。
まとめと店舗詳細
実際に私は当時の純喫茶を知りません。ですがそんな私でも、昭和のあったかさを感じる事のできる何とも言えない落ち着く空間となっています。ご夫婦の優しいお人柄がこの空間を作っているのもあると思います。
ここに来れば、当時にタイムスリップしたような感覚になれる空間ではないでしょうか。
また昔ながらの喫茶店を知らない方にも、当時の面影が残る「純喫茶くらも」を体感してほしいです。筆者オススメ喫茶店です。
■店名:純喫茶 くらも
■住所:尼崎市神田北通3-65
(阪神尼崎駅側から商店街の中を歩いてきた場合は丸亀製麺の交差点を右に曲がりすぐ右手)
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■営業時間:6:30~17:00
■定休日:火曜日
■電話番号:06-6413-9041
※店舗情報は記事執筆時点のものです。