突然ですが、30秒以内に尼崎市の名物を3つ言えますか?
3つ言えた人は尼崎観光大使に任命します。いくつか名物は存在するのですが、中々、多くの市民に浸透されていないのが現実です。
実は今、尼崎市の町工場が一つになり、尼崎市の新名物となりえる「プラモ尼崎城」プロジェクトが進行中です。
目次
今こそオール尼崎。
尼崎の技術力を結集させた新名物「プラモ尼崎城シャチホコ」
2019年3月、約400年ぶりに再建された尼崎城。開城から5カ月で10万人の来場者数を越え、新しい尼崎市のシンボルとして益々、注目度を高めています。
そんな中、「尼崎の技術で、尼崎のおみやげを」と立ち上がった有志達の存在をご存知でしょうか。
尼崎城開城と共にあまがさき観光局が立ち上がるなど、観光都市としての”尼崎”を進める取り組みが行われています。
そのような動きを見せる同市で、2018年1月より市民団体「プラモ尼崎城」は立ち上がりました。同じ兵庫県の姫路城は姫路城のプラモデルがあるように”城には城のプラモデルが要るのでは”と。
尼崎市はものづくり産業で戦後の日本の経済発展を支えてきました。若い人は尼崎市が日本の経済発展を支えてきたと言われてもピンと来ないと思います。ですが、全国の製造品出荷額に占める尼崎市の地位で1960年には7位を記録するなど、工業都市として栄えてきたことはゆるぎない事実なのです。
そして、尼崎市の町工場は大手メーカーを支える、いわゆる下請け企業が多いのも特徴です。しかし近年は、マンション開発の余波などを受け、尼崎の町工場は減少しつつあります。
今こそオール尼崎。
その合言葉を胸に、縁の下で頑張ってきた尼崎の町工場の力を一つにして、尼崎の新名物を作ろうじゃないかとスタートしたのです。
数年前に、町工場の奮闘を描いたドラマ「下町ロケット」が大ヒットしましたが、まさにそれの尼崎版ではと勝手に思っています。
「プラモ尼崎城」は尼崎の技術力を集約させた、まさに”尼崎プライド”が詰まった商品となっています。
「ちょっと待て、お城じゃないじゃん。」
そう思われた方もいると思います。私自身も同じことを感じていました。
実は、城郭プラモの商品開発費を専門メーカーに見積もってもらうと1500万円の費用が必要と言われたようです。当時、メンバーの皆さんは現実を突き付けられ、途方に暮れたようです。
自分達で立ち上がった市民団体にとって、これではあまりにもリスクの高い挑戦となってしまいます。そこで、その技術力をまずはシャチホコに込めることになったわけです。
尼崎城プラモの夢に向かって。
第一弾として「シャチホコ」に
「プラモ尼崎城」を目指すに当たり、第一弾として始動した「シャチホコ」ですが、当然容易に作れるものではありません。
3Dデータ制作 ⇒金型設計・加工⇒金型精密加工⇒射出成形⇒パッケージ加工⇒梱包作業と、プラモデル一つ作るのにも多くの工程を必要としています。
「プラモ尼崎城シャチホコ」完成フロー
事業所住所:尼崎市浜2-6-1
事業所住所:尼崎市若王寺3-30-12
上記のように、高い技術力を誇る”オール尼崎”で結成された、尼崎に事業所を構える町工場が一つとなって「尼崎城シャチホコ」は完成しました。
町工場以外にも、立花の寿司・割烹料理店「染わか」さんをはじめ、商工会、市職員など多くの有志が力を貸してくれています。
クラウドファンディングでは約160名から約110万円が集まっています。まさにオール尼崎の言葉にふさわしい、沢山の人の思いが乗った商品になっています。
「プラモ尼崎城シャチホコ」ってどんな製品なの?
【販売価格】
灰色:800円(税抜)
黄・青・赤色:1000円(税抜)
【サイズ】
高55mm、幅25mm、奥43mm
3000個を目標に販売されており、現時点で1000個はもう売れたとのことです。
「尼崎城シャチホコ」は接着剤不要のスナップフィットモデルとなっています。3歳のお子様でも作ることが出来たようで、誰でも気軽に取り組めるプラモデルとなっています。
プラモデル好きの方は灰色のシャチホコを購入してオリジナル塗装を楽しまれるようです。模型誌やワークショップなどでご活躍中の女性プロペインター「せなすけ」さんが塗装の様子を紹介されてますので、是非こちらもご覧になってください。
>シャチホコのプラモ!誰でも簡単『2ステップ筆塗り』で塗装を楽しむ
よーく覗いてみると、更に小さなシャチホコの姿が…。
これは目標としている250分の1スケール尼崎城プラモに乗せる用のシャチホコだそう。こんなところに決意表明が隠れていたとは。
パッケージ裏側には「MADE IN AMAGASAKI」の文字が。これ、とっても渋いですね。
引用元Wikipedia
上記解説のように、火除けとして天守閣の屋根などに取り付けられていました。家の玄関などに飾っておいて、古くから言わている火除けの力を発揮してくれると嬉しいなとか思ったり…。
お土産で渡すときに、「尼崎の町工場の技術で作られた火除けの力も持ったシャチホコです」って言ったら喜ばれそう。
少し話が逸れましたが、実はカラーバリエーションも豊富なんです。
こちらは一般販売はされていませんが、ふるさと納税の返礼品となっています。
第一弾ではシャチホコでしたが、その売り上げをもとに、天守のプラモデルの設計に着手する予定となっています。次回もクラウドファンディング実施が予定されています。シャチホコの販売利益は全て、尼崎城プラモデルの資金とされるようです。
「プラモ尼崎城シャチホコ」販売場所
【尼崎市内】
・尼崎城
〒660-0826 兵庫県尼崎市北城内27番地(Googleマップ)
営業時間:9:00~17:00(ただし、最終入城時間は16:30)
定休日:月
公式サイト:https://amagasaki-castle.jp/
・あまがさき観光案内所
〒660-0884 兵庫県尼崎市神田中通1丁目4(Googleマップ)
営業時間:9:00~17:00
公式サイト:https://kansai-tourism-amagasaki.jp/
・HOBBY SHOP中央モデル
〒660-0885 兵庫県尼崎市神田南通1丁目6(Googleマップ)
営業時間:11:20~18:30(土日祝18:00)
定休日:水
公式サイト:http://hccweb1.bai.ne.jp/chuo-m/
・パイナワーフ
〒661-0033 兵庫県尼崎市南武庫之荘2丁目17−20(Googleマップ)
営業時間:11:00~16:00
定休日:水
公式サイト:https://painawharf.com/
※情報は記事執筆時点のものとなります。
尼崎市内では上記の3店舗で販売されています。阪急沿線のパイナワーフさんでも販売開始され合計4店舗となりました!
amazonでのネット販売も行われていたようですが、現在は売り切れとなっています。
「尼崎」が詰まったこれからも長く愛される名物に
以前、あまたび内で現役学生に「尼崎の名物で思い浮かぶものはありますか?」と言うアンケートを取ったことがあります。全体の92%が「ない」と答えていました。
≫【現役学生25名アンケート】若者から見た「尼崎」とは?イメージなど徹底調査!
尼崎市が観光地としての動きを進める中で、やはり名物やお土産は必要不可欠です。尼崎市内に住んでいる人が、パッと名物を言えないようでは、他県の方に浸透するなんて事はありえません。
今回のプラモ尼崎城シャチホコも「ただお城が出来たから作っただけでしょ?」って言う認識のままでいる方が多いと思います。
しかし、このようにバックグラウンドを覗いてみると、オール尼崎で作られた、尼崎らしさ溢れる商品となっています。
尼崎のご当地メニューとして浸透しつつある「尼崎あんかけちゃんぽん」も、働く労働者のお腹をいっぱいに満たす為に作られた”工場”にまつわるものです。
街は変化を繰り返しますが、尼崎の礎を作ってくれた、ものづくり産業に由来する「プラモ尼崎城シャチホコ」は新名物としてピッタリじゃないかと。
既にこのシャチホコが可愛くて仕方ない私です。このシャチホコが大きく羽ばたき、いつか尼崎城のプラモデルが完成する日を楽しみにしたいと思います。
- クラファン
- 尼崎のものづくりのチカラで、尼崎城のプラモデルを作りたい!
- SNS
- Twitter
Facebook - 公式サイト
- プラモ尼崎城
※情報は記事執筆時点の情報です。