気象で振り返る、平成の尼崎【気象予報士・木村司さん特別コラム】

以前から尼崎市の週間天気予報をあまたびに寄稿して頂いている、尼崎在住の気象予報士・木村司さんが今回は特別コラムを提供して頂きました。

まもなく30年4カ月に渡る平成の時代が終わり、令和の時代を迎えようとしています。今回はそんな平成の時代をお天気で振り返って頂きましたので、是非ご覧ください。

「気象で振り返る平成の尼崎」

こんにちは、気象予報士で気象アドバイザーの木村司です。
いつもは、毎週月曜日にコラムを書いていますが、平成が終わるということで、特別に寄稿させていただきました。その名も、ズバリ「気象で振り返る平成の尼崎」です。

最も暑かった夏

平成年間は暑い夏が多く、統計開始以来の記録を見ても、1位から10位までのうち、平成が9年を占めています。中でも、最も暑かった夏は、平成30年の夏

つまり、昨年の夏で、埼玉県熊谷市では国内最高気温の41度1分を観測するなど、全国的に暑かった夏でした。

近畿地方での夏の平均気温は、平年より1度3分高く、尼崎市周辺でも、7月19日と24日には38度7分、8月22日には38度8分まで気温が上がりました。

最も寒かった冬

平成年間で最も寒かった冬は平成30年の冬(平成29年12月~平成30年2月)

つまり、寒かった冬と暑かった夏が同じ年となりました。この冬の平均気温は平年より1度低く、いつもの年より100キロくらい北で生活していたことになります。

また、平成30年の冬は、最低気温が氷点下の冬日日数が14日で、これも平成最多でした。

最も多く雪が積もった日

寒い話題が出たので、雪が多く積もった日を調べてみました。平成年間で最も多く雪が積もった日は、平成2年2月1日で、尼崎市周辺では11センチの雪が積もりました。

さすがに記憶にないので、当時の新聞を調べてみると、尼崎市周辺では、交通機関に大きな乱れが出たとの記事がありました。

また、2月1日は、当時もプロ野球のキャンプインの日でした。阪神タイガースは、1日から西宮市にある甲子園で始動したものの、神戸の自宅から甲子園まで、7時間もかかった選手がいたとの記事もありました。

最も雨の降り方が強まった日

日本全国で見ると、毎年のように大雨の話題が出ますが、尼崎周辺で最も雨の降り方が強まった日は、平成18年8月22日

1時間に110ミリもの猛烈な雨が降りました。この日、私は東園田町の自宅マンションで空模様を伺っていたのですが、窓の外が真っ白になるほどの雨により、マンションの前を通る道路が川のようになってしまったことを、今でも覚えています。夏の夕立の恐ろしさを、身をもって経験した一日でした。

最も大雨が続いたとき

夏の夕立の場合は、1時間降水量が多くなりますが、前線が停滞した場合や台風接近時には、48時間降水量や72時間降水量が多くなります。

尼崎市周辺では、昨年平成30年の7月上旬には、48時間降水量と72時間降水量1位の記録を更新しました。

48時間で332.5ミリ、72時間で370.5ミリの雨が降り、昨年1年間に降った雨のうち、約2割の雨が、7月5日から7月7日の3日間で降りました。7月上旬は全国的に記録的な大雨の所が多く、気象庁は平成30年7月豪雨と命名しました。

最も風が強まった日

これは、多くの方が「あの日やろ!」と思うのではないでしょうか? そう、昨年の平成30年9月4日で、最大瞬間風速47.4メートルを観測しました。

これは、時速に直すと約170キロの速度になります。この日は、台風21号による暴風で停電や交通機関に乱れが出るなどの被害が出ました。現在でも、屋根にブルーシートを敷いている家屋があるなどの影響が続いています。

尼崎市は、南側が海で風を遮るものが少ないため、南風が強まるときに、より被害が出やすくなります。台風が西側(神戸方面)を通ったり、発達した低気圧が日本海を東進したりするときに、南風が強まりやすいので、より注意が必要です。

台風21号による尼崎市の被害状況【Twitterより】随時更新

以上、平成年間の暑さや寒さ、雨などについてまとめてみましたが、近年は気温の変動が大きかったり、雨の降り方が強まったりと、生活への影響が大きくなっていると感じました。

大雨や暴風の発生を止めることは不可能でも、早めに対策をすることで、被害を減らすことが出来ると考えています。天気予報を上手に利用し、これからの防災に役立てていただければと思います。

プロフィール

気象予報士:木村 司(きむら つかさ)

尼崎市在住の気象予報士・気象防災アドバイザー。

現在毎週月曜日、尼崎旅~あまたび~にコラム執筆のほか、毎月第4木曜日に、FMaiaiのモーニングアベニューに出演中。ツイッター(@amagasakitenki)でも、主に尼崎の天気に関する情報を毎日発信中。


木村司さん、ありがとうございました!こうやって振り返ると、平成30年がいかに災害が多かった年だったかがわかりますね。

防災への意識は、災害が起きた直後は強いのですが、時間が経過すると、ついつい忘れがち。今回のように平成の気象を振り返って頂いた木村さんに感謝し、改めて災害対策も平穏な日々のうちに整えておきたいですね。

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